P因子にFRT配列1つ入れたtransgeneをハエに入れ、作ったハエ1[A (P-FRT-P) B - C]と,ハエ2[A - B - (P-FRT-P) - C]を交配し、FLPで相同染色体間のFRT間に組換え、結合をおこさせ、

[A (P-FRT-P) - C]というB部のない染色体をつくるという方法で、ゲノムの56%くらいの領域で明確な端をもった欠失染色体をつくり、4月から金もうけ目的でない研究者に無料配付するという。

突然変異体を得た場合、欠失染色体との相補性検定を行い遺伝子座を絞り込むが、その際、欠失部が明確で小さな領域を欠失した染色体はとても有用である。P因子挿入による突然変異体ならP因子挿入部位を調べれば良いが、EMS変異などでは遺伝子座をきめるのは大変である。また明確な端がわかれば、2つの欠失体を組み合わせて、[A-B-X-X-E]/[A-X-X-D-E]ハエ(これは遺伝子Cのみ欠損)からgene targetingをやらなくても簡単にノックアウトハエを作ることもできるね。