今日から6日まで臨海実習の引率である。
(実は帰ってきた6日に日記を書いている)

今回の実習での私にとっての最大のトリビア
分子生物学手法による系統分類関係の大きな見直しについてである。
はずかしながら、全然フォローしてなかった。

しょうかぼう 出版のbiodiversity5 ISBN4-7853-5828-9を見た。
Aguinaldo et al.(1997)Nature387,489-493によれば、従来の線虫などの線形動物が分子進化速度が速いため、正確な分子進化の算出が難しかったものを分子進化速度の遅い線形動物を見つけ、各動物の18S ribosomal DNA(リボゾームRNAの1つ18Sのもと)の分子進化速度から
以下のことが推論されるという。

海綿動物(の先祖)とその他の動物(の先祖;以下では略)が別れ、さらに刺胞動物(クラゲなど)とその他が分かれた。
次に脱皮動物(Ecdysozea)と冠輪動物(Lophotrochozoa)とでもいうべき動物に分かれた。
脱皮動物とは文字どおり脱皮をする動物でこの中で線虫などの線形動物節足動物が分かれた。
一方冠輪動物ではミミズなどの環形動物と貝、タコなどの軟体動物が分かれた。
従来、体に節があるということで近いとされた環形動物節足動物が進化上遠く、線虫などの線形動物と昆虫の方が近いということになる。
環形動物と軟体動物は同じトロコフォア幼生を経るがそういう点では近いと考えられてきたが、DNAの結果はそれが正しいとしている。

高校では系統分類は線形ー軟体ー環形ー節足という順で進化したように教えてきたが、将来的に大転換する可能性が高く、わくわくする。
が高校では教えにくいだろう