信濃毎日新聞3/13全球化を生きる10 先住民文化にも知的所有権

共同通信南米支局の本蔵一茂さんの記事が載っていた。他の新聞社にも載っているのか?ブラジルアマゾンの先住民がもつ「おばあちゃんの知恵袋」を利用して(きっかけにして)先進国企業が研究開発して金儲けをし、特許までとる。自分たちの知的所有権は無視され、お金等の還元もない、、。という趣旨か?

  • 非常に難しい問題だ。サポカンポというカエルの皮膚からでる粘液が傷の治療に役に立つと先住民は昔からしっていた。このカエルから抽出した成分に関する特許登録は欧米日本で系10件にも上るそうだ。
  • ある先生から聞いたのだが、東欧の研究者が、オリジナルな研究(別の言い方をすれば西欧米の研究者が見向きもしない研究)をやって成果を上げつつあった。しかし、そのおもしろさが伝わると、豊富な資金力、勤勉な労働力をフルに活用し、西欧米の研究者があっというまにその研究テーマを発展させていった。追い抜かれるおまえが悪い。だんとつに先行してれば追い抜かれることはないだろう、など批判もあるだろうが、確かに研究のアイデア、きっかけとなる重要な考え方など、深く考えさせられる事は多い。
  • そうすると皆が疑心暗鬼になり、特許をとるまで、口頭及び論文発表しないということになり、科学が発展しない。いやー深い。
  • 昔、サイエンスは貴族、上流階級知識人の趣味だった。国王、貴族の家庭教師をしていた人も多いが、純粋な知的好奇心もしくは名誉を主な動機付けに研究が行われたのではないか。重要な成果を発表せず(趣味なんだから公表義務はない)、死後発表され、みんなを驚かせた物理学者もいたという。今は職業科学者、公務員もしくは企業の(多くは営利を指命とする)研究者がほとんどであろう。
  • 税金を頂いて研究する公務員研究者は、もちろんその所属国に貢献しなければならないが、同時に全人類に貢献する必要もある。
  • 線虫などでは役割分担して、お互い同じ研究をして無用な競争にならないようにしていたという。今はどうかしらないが。
  • 競争すれば早い方が勝つ。早いというのはオリジナルな面も含めてであるが、それがまったく同じとすれば資金力、勤勉な労働力できまるだろう。
  • 金が豊富にあって(あるいは金はあまりいらない分野で)、論文ノルマがないか楽、名誉欲もないという状況なら本当に好きなことを知的好奇心でやることになる。が税金を頂いて研究する人はリスクーリターンを考えながら最大限に努力しないといけない。ただ一部ボスのいうように土日もはたらけ、結婚するとハンディだなどといったりHPに書いたりしてる人もいる。深い。