各受容体が特定の波数の分子振動を感知しているとするTurin振動説が正しいならば、1受容体1嗅細胞の法則から考えて、

  • 硫黄含有物S-HとボランB-Hとは同じ嗅細胞に応答を引き起こすはずである。
  • 金属カルボニルのうち、空間充填模型は熱振動を考えれば事実上同じで、匂いの異なるフェロセンとニッケセンは、同じ嗅細胞でなく、別々の嗅細胞に応答を引き起こすはずである。
  • ある物質と、そのHをD化した(重水素化)した物質は、同じ嗅細胞でなく、別々の嗅細胞に応答を引き起こすはずである。
  • 鏡像異性体で匂いが異なる場合は、受容体のキラル性によると認めたTurin説では、同じ嗅細胞(だけではor)ではなく、別々の嗅細胞に応答を引き起こすはずである。
  • 炭化水素の端にアルデヒドのついた分子でC数が7,9,11のものは、8,10,12のものと同じ嗅細胞(だけではor)ではなく、別々の嗅細胞(ただし7,9,11は同じ細胞、8,10,12は別の同じ細胞)に応答を引き起こすはずである。
  • HCN,benzaldehydeなど多くのアーモンド臭のする物質は同じ嗅細胞に応答を引き起こすはずである。