弱い形状説が正しいならば、1受容体1嗅細胞の法則から考えて、

  • 硫黄含有物S-HとボランB-Hとは同じ嗅細胞に応答を引き起こすには無理があるので、別々の嗅細胞で応答を引き起こし、中枢で統合される。
  • 金属カルボニルのうち、空間充填模型は熱振動を考えれば事実上同じで、匂いの異なるフェロセンとニッケセンは、同じ嗅細胞に応答を引き起こさないとは考えにくい。しかしそうするとどうやって匂いが違うのか?別々の嗅細胞に応答を引き起こす形状的違いはないから、同じ嗅細胞での発火パターンでの嗅物質認識しかないか?こんなのは、濃度ー応答を考えればあり得ない。
  • ある物質と、そのHをD化した(重水素化)した物質は、中性子分によるわずかな構造の違いだから、同じ嗅細胞で応答しないとは考えにくい。このわずかな違いを受容体が見分けるなら、別々の嗅細胞に応答を引き起こすが(その例があるか?)。
  • 鏡像異性体で匂いが異なる場合は、同じ嗅細胞(だけではor)ではなく、別々の嗅細胞に応答を引き起こすはずである。
  • 炭化水素の端にアルデヒドのついた分子でC数が7,9,11のものは、8,10,12のものと同じ嗅細胞(だけではor)ではなく、別々の嗅細胞(7から12まで全て違うかもしれない)に応答を引き起こすはずである。しかし、なぜ奇数が同じ匂いで偶数が同じ匂いなのか説明が難しい。