その他X線照射などで得た、非相同染色体間の相互転座(動原体付近のヘテロクロマチン領域と、ある点との転座)、欠失を組み合わせて、特定染色体領域を半数体化(n),3倍体化(3n)したりできる。

たとえば、BL-4519 Dp(2;3)Cam 14T, cn[1]/CyO は49A;51EF部が3倍体のハエであるが、Dp(2;3)Cam 14Tとは、
Ts(2Lt;3Rt)6r23+Ts(2Rt;3Lt)H24のことである。といっても??なので図を書くと、これ

図のような転座を持つハエI、IIの染色体を組み合わせると、赤で示した領域(49−51)が重複し、もう1組のCyO染色体上のものも加え、3nになる。I,IIのハエの第3染色体動原体付近の転座部はヘテロクロマチン領域であるので、かならずしもI,IIハエで同じ点でなくてもよいのがみそである。赤で示した領域(49−51)中にあるタンパクのnull変異をもつm*染色体をもつ、m*/CyOハエはそのタンパク量は正常の2分の1である。

上のBL-4519ハエと、m*/CyOハエを交配すると、次世代中、Cy[+]のハエはm*/Ts(2Lt;3Rt)6r23;Ts(2Rt;3Lt)H24/+であり(図最下部の第二、第三染色体と、m*第二、+第三染色体をもつ)、赤で示した領域(49−51)を2nもつのでタンパク量が正常にもどる。