鏡像異性体で匂いが異なる場合は、どちらの説も同じである。これはTurinが受容体が嗅物質をつかむのにキラル性があるとしたからである。これを「ゆるい鍵と鍵穴で受容体が分子をつかむ(一部形状説の取り入れ)」とはTurinは断じて認めていないが、「ゆるい鍵と鍵穴で受容体が分子をつかむ(一部形状説の取り入れ)、そして分子振動で情報変換が行われる(振動説)」という折衷説でよいのではないのだろうか?

  • [同じ嗅細胞(だけではor)ではなく、,,,」としたのは分子の一部の官能基による分子振動or形状認識があり得るからである。

振動説は4,000cm-1を10等分した400cm−1を受容範囲とする受容体群モデルをだしている。これは常温での熱振動等から算出しているわけだが、そうすると、分子振動説でも1万以上といわれる匂いの識別にはこの受容体応答の組み合わせの統合ということになるが、ある程度形状としなければ多様な匂いを説明できないのではないか?受容体は10種類でなく、人では375種である。振動説には多すぎ、強い形状説には少なすぎる。いずれにせよ組み合わせで匂いを認識するはずだ。